妖魔03(R)〜星霜〜
「おちびちゃんはまだまだポークビッツアルな」

意味は解らないが、ニュアンスで捉えるならば子供だと言いたいのか。

「アチシはお前が派閥に入らず、生きているのが気に入ったアル」

「私は、派閥など信用しない」

所詮は自分が良い思いをするために作られた場所だ。

慕っている人間がいようとも、利用されているに過ぎない。

「あなたは派閥の長。部下は利用するだけの存在なんだろう?」

「奴らもアチシの穴を利用したアル。それで、アチシに纏わり付いてきてるだけアルよ」

「自分の体を使って作り上げたのか」

肉体一つで数多の部下を堕とした広目は脅威といえよう。

だが、部下を護衛につけずに廃墟を一人で歩いているところ、自分は強いと思い込んでいるか、実際に強いかのどちらだ。

「ビックなナニがあろうが、フィット感がなければ魅力があるとは言えないアルな」

「あなたが、廃墟にいるのは何のためなんだ?」

誰かに連れてこられたわけでもなく、落とされたわけでもない。

「楽しいからアル」

「楽しい?」

「廃墟には、性欲ビンビンの男がいて強い男もいる、今のところは飽きる事がないアル」

廃墟を楽しめる精神を持っているのはおかしいとしか言えない。

人間の闇で構成されている世界は、通常の者は馴染みたいとは思わない。

廃墟に入れば、元の世界に戻りたいと思うはずだ。

私だってすぐにでも出たいと思っている。

「苦痛や死が怖くないのか?」

「アチシにとって生も死も変わらないアル。ただ、自分のいる世界に変化が訪れるだけアルよ」

胸の真ん中からリンゴを取り出して、かじる。

「あなたも、獣と変わりない」

「しゃりしゃり、アチシが獣だとすれば発情期の猫アルな」

広目と話しているだけで、自分の感覚がおかしくなっていく。

早く条件を果たして別れたほうがいい。
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