妖魔03(R)〜星霜〜
「はあ、はあ、はあ、くそ、お前な、何でそんなにアホなんだ?」

世話になるのは感謝をしているのだが、許せない事が多い。

俺の心が狭いとでもいうのか?

「ティアは女運がなくて流れ者で女に手を上げるロクデナシな丞さんよりも賢いですよー!」

違うな。

ボンクラ女の口が非常に悪いんだ。

顔面に足跡をつけた本人はとてつもなく真剣なのだが、どこらへんがか問いたい。

いや、ティアの相手をしないでおこう。

鬱病になるだけだ。

俺は部屋の中を見回すと、質素という言葉に尽きる。

現代風のキッチンとは言いがたいが料理を作る場所らしき所があり、食器棚があり、食べるための机がある。

他には別部屋に通ずる扉が二枚、それだけだ。

家族は見当たらない。

「家族は?」

ティアは料理の準備に取り掛かっている。

「あ、あわわわわわ」

「は?」

いきなり慌てふためきだしたが、何かミスでも犯したのか?

「てぃ、ティアは駄目ですよー。もっと格好いい人と結婚するんですう」

このアマ、ぶっ飛ばしてやろうか?

もしかすると、今後の事を話し合うために、両親を紹介して欲しいと身勝手な脳内変換したのだろう。

「それでそれでー、ティアに似たとっても可愛い子供を産んじゃうんですう、キャアー!」

一人でテンションを上げてる、アバズレをどうにかしたい。

「ふう」

駄目だ。

こいつはランクSのアホに入る。

ちなみに、Sはアカ・マナフや空気岩と同等である。

「解った解った。お前の子供は可愛いだろうから、作業を進めてくれ」

「丞さんって話がわかるですう!」

木のお玉を宙で振り回して、俺に当たりそうになる。

もしかすると、無意識に俺を仕留めようとしてないか?
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