妖魔03(R)〜星霜〜
火の始末を忘れていた。

「先に済ませておくか」

火を消しても、温度は急に下がらない。

ティアに布をかけて、火の処理をするために家の裏に戻る。

「あー、くたびれた」

数分火消しの処理を行って、薪の上で一休みする。

ティアがいくら頑丈だとしても、しばらく復活する事はないだろう。

「面白い奴だけど、な」

他にも村人がいるはずだけど、今は火野さんとティアしか知らない。

そういえば、今日の任務はこれだけではない。

子供達に現在の日本の話をしなければならなかったんだ。

特に物知りでも話し上手でもないので、二週間も保たせられるか解らない。

「ねえ」

「何だよ」

「アレが、ティア姉ちゃんの家に来た人じゃない?」

「だな」

「どんな人なんだろうね?」

「そんなの知らないよ」

少し離れた位置の木の後ろから覗き込む二人の子供がいる。

一人は生意気そうな小学生くらいの男の子で、茶色い短髪をしている。

もう一人は茶目っ気がありそうな小学生くらいの女の子で、赤い髪の色にお下げを垂らしている。

二人に共通しているのは、村人たちと一緒の民族衣装を着ている。

子供達の方を見ると、木の後ろに隠れてしまった。

「おーい、お前達、こっちに来いよ」

しかし、少しだけ顔を出すのみで近寄ってこようとしない。

村の妖魔でないので、警戒心が強くなるのも頷ける。

「ま、いいか」

変にしつこく構うのも面倒だし、火消しも終わったので家に戻ろうとする。

「あ」

女の子が前に出ようとして、前のめりに顔面を打ちつけた。
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