妖魔03(R)〜星霜〜
「おいおい、派手にこけたな」

俺は近づいていき、手を差し伸べる。

「大丈夫か?」

「気安く触ろうとするな」

生意気な少年が横から俺の手を弾き飛ばした。

「すまねえな」

手を引っ込めた後、男の子が女の子を立たせた。

どうやら、女の子には指一本触れさせたくないみたいである。

「名前は?」

「チェリー」

顔を土で汚した女の子、チェリーは警戒が解けていないものの、答えてくれた。

しかし、不機嫌な男の子は口を開こうとしない。

「ほら、モンドも自分の名前」

「チェリーが言ってる」

モンドとチェリーは、仲がいいようだ。

「兄妹か?」

「ううん、友達」

チェリーは積極的に接してくれるので、心が癒される。

「あんたには関係ないだろ」

モンドは俺の堪忍袋の緒をどうしても断ち切りたいようだ。

「モンドはいつも不機嫌なのか?」

「いつもはもっと楽しそうな顔してるのになあ」

「チェリー、余計な事言うなよ!」

俺が原因というのはわかっていたが、チェリー曰く、酷い変わりようらしい。

今は、さっさと家の中に入ったほうがいいだろう。

「モンドの機嫌をこれ以上損ねるのも嫌だし、俺は消えるよ」

ストレスを溜めすぎると、胃に穴が開いてしまいそうである。

「えー」

チェリーは不満げで、もっと話したそうにしている。

モンドもチェリーのような反応を見せてくれれば、楽しくやっていけそうなんだけどな。

「また後で会うからよ。今はモンドと遊んでおいてくれ」

俺は子供二人を置いて、ティアのいる家の中へと非難した。
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