女王様御用達。
「……では、手続きがありますので。別部屋へお連れしますね」


どこまでも優しい隊長は彼の肩を叩く。

「うん」

「では、女王陛下。失礼します」

「あとでな」


「…………え?」


彼が泣きべその驚いたどっちつかずの顔で振り向いたまま、黒い木の扉が閉まった後女王は僕に微笑んだ。

女王はこの国の図書館の館長を兼任している。

その事実は国民みんな周知しているものだ。

奴を除いて。


「どうだ?奴にいい作品が書けると思うか?」

「恐れながら……思いません」

「即答だな」

女王は歯を出して笑う。


「ゴミはゴミです。彼のせいでどれだけの税金が無駄に使われたか分かりません」


「いろいろひっくるめると小さな城が一個作れるぞ」


「奴の派遣は、貴方のポケットマネーが財源になるのでしたよね」


「ああ」


「世界一の規模のこの図書館が発行する絵本になるのですよね」


「いい内容が書ければの話だ。その時は女王のお墨付きだ」


「そのいい内容を書かせるために、国外に出すんですよね」


「派遣な」


「逃げますよ?奴は」


「そのためにお前も行けと行っているだろう?」



僕は眉をしかめる。
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