女王様御用達。
「恐れながら、無意味かと思います」




彼女は微笑んだまま窓越しに外を眺めた。

手入れが行き届いた、青く広がる庭。

その奥には町が一望でき、活気づいた今はこの女王あってのものだと再認識させられる。



「お前は本当に悪人が嫌いだな」




好きな人間の気がしれない。

人間には理性や知性がある。

それを使わず、自分の欲の為に動き、自滅していく奴なんて、僕は人間と認めない。


「生きるために金を盗んだ、生きるために人を殺した…罪人は他に選択が出来たはずなのにしなかった人間としての欠陥です」



「どきついな」




「僕も汚物としか彼が見えません」




彼女は笑いながら、僕の頭を撫でた。

冗談が通じないなと言いながら。


「だから子供と言われるんだ」


「……あなたまで……」



僕を否定するんですか?

「だが、私は嫌いじゃない。しかし、お前にもちょっとばかり視野が広がってほしいものだ」


僕は府に落ちないまま彼女に撫でられる。






「ほら、可愛い子には旅をさせよと言うだろう?クロ?」





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