女王様御用達。
「笑っちゃってごめんなさい」


と言いながら、彼女は笑っている。


でも、憎みきれないのはきっと彼女から出る人柄の良さだ。

とても優しいオーラをしている。

緑色の瞳は、垂れ目で二重。

笑えばえくぼが深くできた。

唇は花の色で小さめ。


綺麗というより可愛らしい感じだ。

年齢はポチよりちょっと若いくらいか。

おしりまである金色の長い髪を、太い三つ編みにしている。

シルルクの国特有の花の刺繍を施した青いエプロンドレスを着て迎えた。



「久しぶりのお客様だからうれしくて。マーガレットにお礼の手紙書かなきゃね」


誰?といわんばかりの顔をしている犬の腹を小突く。


騒ぐな。

「マーガレットさんからよく伺っていて。レースさんに会えるのを楽しみにしていました」


「あら、あなた小さいのにしっかりしているわね」

……。

にやっと僕の背後で笑う気配がした。

ポチの分際で。



「長期滞在って聞いているけど、どんなご用なの?」



「この犬が物書きの端くれでして。是非レースさんをモデルに物語を書いて、本を差し上げたいと」


彼女はうれしそうな、でもちょっと困るような。

そんな複雑な表情を浮かべた。


「そうなの。私、モデルなんて初めて」


彼女は犬を見つめて笑った。




「これから、よろしくお願いしますね」

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