女王様御用達。
宿屋は小さなものだ。

1階と2階を合わせて、6部屋くらい。

うち1階の奥の部屋はレースさんのものらしい。

すべて木造で、何というか素人の荒的なものがたまに見える。


「この宿屋は父が作ったんです」



確かに宿屋の荒は目立つが、所々に刺繍の布が飾ってある。

また、廊下にもセンスのいい絵が飾ってある。

悪くない雰囲気だ。

彼女は急な階段を上り、二階へ僕たちを案内する。



「ここがポチ様のお部屋で、ココがクロードさんのお部屋ですけど」



彼女は僕に視線を合わせて聞く。



「一緒の部屋じゃなくていいかな」



……子供扱い。




一応大学出たんだけどな。

飛び級だけど。

僕は笑顔で答える。


「別々で!!」

「そっか、カギをなくしちゃ駄目だよ」


と、大事そうにカギを渡される。



犬の笑いをこらえる声がやたらムカつく。
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