女王様御用達。
とはいえ、観察した彼女に別段おかしな行動は無い。

ご飯はとてもおいしいし、てきぱき掃除もする。

元気で朗らかだ。


そして、麦畑で観察する兵士たちにお辞儀をして前を通って畑へ行く。


そう、レース自身も兵士たちについては知っていたらしい。



「ええ。私が生まれた時から、それよりずっと前からいらしてます。雨の日も風の日も」


物語を書くためにということで、質問したポチに、彼女はそう答えた。


「どうして?」

「変な人から身を守ってくれているんですよ」


彼女は笑ったが、兵士たちはそんな雰囲気ではない。


「そういえば、ご家族は?」


「今は一人なんです。父親は一ヶ月前馬車に引かれて亡くなりまして。母親は生まれた頃に体が弱くて」


本人は笑っている。

悪いことを聞いたと、犬にも人の心があるらしく、目を伏せた。


「でも、マーガレットから時々贈られてくる手紙や本がとても支えてくれたの」



確かに、僕もあの手紙が無ければだいぶ荒んでいた。

彼女が散々反対した女王騎士になり、彼女が女王とわかったときにはびっくりしたが。

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