女王様御用達。
国外に出るためのパスが作れない。

うちの国の場合、パスを作れない可能性としてあげられるのはどういった事例だったか。



まずは作成時点での犯罪者。



明らかに犯罪を犯す可能性がある者。



また、ポチのように受刑中の者も特殊な例が無い限り作成は難しい。




借金地獄のブラックリスト者。



国外に籍がある者…も十年以上経過していれば、場合によっては可能だったはず。



あとは女王命令で止めた場合も無理だな。



リュウズの場合、ほとんど国からの許可が取れない例は犯罪だ。





彼女は何らかの罪人だというのか?





そんな雰囲気はない。


しかし彼女自身も話したがらない何かがあるのは確かだ。



ここは、第三者的な意見が必要だ。





「町に行きたいの?クロ君」

外で庭掃除をしていたレースさんを捕まえ、僕は聞く。


「はい、洋服とか見に行きたくて」

そばで突っ立ってる僕はポチを小突く。

ぐふっと呻いて前屈みになるが、そこに立っているのが悪い。

「ほら、ポチも町の風景とか書かないといけないみたいで」


彼女は表情を暗くして、考えていた。

「行き方を教えていただけませんか?」


第三者と接触するのはまずいのか?


僕たちの会話をよそに、ポチはメモに何か走り書きをしている。


本人曰く構想中らしい。

…が、その文字はよめるものではない。


「町はここを出てこっちの道をずっと町側へ歩いていけばつくわ」


「ありがとうございます」



彼女はにこっと笑うと手を振った。

「凸凹道だから気をつけてね。私、おいしい夕御飯作って待ってるから」



口角を上げたまま、ただ何かにおびえるような聞こえるか聞こえないかの細い声で続けた。



「……嫌いに、ならないでね……」



ポチはメモに集中しすぎてて聞こえなかったのもしれない。


僕は聞こえないふりをした。


嫌いにならないで?




……彼女が願ったその理由は、町ですぐ明らかになった。

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