女王様御用達。
『おい、ガキ』

鍵閉めた僕の部屋を乱暴に回す音がする。


『メシだっつの』

犬がうるさいな。

僕は体育座りの姿勢から頭だけ起こし、ドアを睨みつける。
窓から夕陽が差し込む。

部屋が明るいオレンジ色に染まっていた。


「いらない」


『いらないじゃねぇよ。ボケ』


「……」


『レースさんがせっかくお前の分まで作ったんだぞ。ありがたくいただきに来い』


「……」

『これだからガキは』


ぱた、ぱた、ぱた。


行った。


階段を下り宿屋の食堂に向かった奴にため息をつく。

僕はベッドの上をながめた。


オヤジに渡された絵本と歴史書が重ねてある。




「レースさんも、悪人……」



僕の中で何となく見えてきた事実。

それは一番嫌いな人種であるという事だった。


しかし、彼女はポチみたく、悪いことはしていない。


国が作った悪人だ。

それは、ポチも他の悪人共も同じ。

正しいのは王だ。

彼らが否定すれば誰だって罪人になる可能性がある。

この国はみんな、レースさんが罪人だと認識している。




『僕も罪人を汚物としてしか見れない』




「レースさんは違う!!」




じゃあ何が間違っている?


王様だ。

この国の王だ。

しかし、国は王のものだ。


この国の法だ。


規模が大きすぎる敵が見えてくる。


もっとも、シルルク国の王様なんて資料を軽く通しただけなので記憶は無いけれど。




代わりに昼間の三兄弟がちらついた。


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