女王様御用達。
『みんなから『バケモノ、バケモノ』と呼ばれている割に、私は雨を降らす能力も、人を食う趣味も、人を呪う手段も持っていないわ』




むしろ、バケモノという存在さえ国のイメージ操作でゆがめられて出来た架空の産物だろう。




不気味に、人からの恐怖として恐ろしくわざと演出した結果だ。


1人で倒しに行った勇者に、簡単に負けてしまっているくらいだ。


協力を得ようとしても、この国の施した潜在意識に誰が勝てるだろう。

非国民と罵られるのを承知し、国の悪者に関わる事に何の利点もない。




『この国には表現の規制があって、王や国の批判否定は罰せられる』


まあ、それが怖いから国交をなるだけ閉じて文化を入れないようにしているくらいだし。

特にレースネタは国の体制として批判材料に十分だ。



『それは、手紙も同様で、この国の現状を伝えようと各国に送ったとしてもそれは届かない。私が送った手紙は国境で阻まれて、開封されて罰則とともに私の元へ戻ってくる』




確かに逐一監視されている中で、彼女1人に何か出来るかと言えば難しい。



『だから私ね、私と分からないように変装して、よく本屋や図書館に通ったの』


彼女は続ける。


『どうすれば私の現状を伝えられるかって、私なりに勉強したつもり。そして、各国の王様にこの国の現状を伝える暗号文を送り続けたわ』



「!」



『……戻ってくる手紙は一通も無かったけどね』




……女王は見つけたんだ。

レースの手紙から悲鳴の声を。

しかし、国の代表が直接関わるのはまずい。



だから、彼女は「マーガレット」を使い、彼女と連絡を取り始めた。





彼女の現状を知るために。


彼女の力になるために。
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