女王様御用達。
僕は天井を見上げ、はあ、とため息をついた。
僕の思うとおりって何だろう。
僕は正義が絶対だと思っている。
悪事をする前に出来たことがあるはずなのに、それを怠った愚か者。
それがうちの国で捕まる大概の罪人だ。
うちの国の女王が言うことは、ほぼ間違っていない。
僕を生きやすい方向に導いてくれた、いわば神だ。
でも、それは僕の思う通りじゃない。
女王の考え方に、ただ乗っかっているだけだ。
『お前にもちょっとばかり視野が広がってほしいものだ』
彼女が言っていた視野は、きっとこの事だ。
だから、女王は僕を派遣したんだ。
レースさんの状況を、わざと何も僕に説明せずに。
僕が悪人の定義で惑うように。
「女王陛下、貴方は本当に性格の悪い方ですね」
僕は呟き、人知れず笑った。
「そして、すばらしい女王です」