女王様御用達。
僕は涙を拭いて、ベッドから飛び降りた。


「僕は僕の思うとおりやる!!」




女王がこの国に対抗するための手段。


それは、物語。


今の状況を、あいつに書かせてうちの図書館から、世界中に知らしめる。

例えフィクションとして発表した作品でも、何か人の心に残るものは残せるはずだ。



それが、国の代表としてむやみに動けない女王の唯一の手段ならば、あいつに書かせるしかない。




僕は急いで自分の扉を開けると、そこにはすでにポチがいた。


「え?」


そのタイミングに驚き見上げると、その目は涙を浮かべている。



「ちょっ……どう、した?」



彼はその瞳からぽろぽろと涙を流す。


その口は小さく開いた。
















「レースさんに振られた」








……こいつは一体、何をやっているんだ?






右手には握り飯。

左手にはオレンジジュース。


……も、たった今、嗚咽しながら最後の一口を飲まれた。



廊下には、皿。


ぐすぐす泣きながら、こいつは人の夕食をやけ食いしていた。



僕は、皿と空のコップと奴の号泣している顔を交互に確認。




次第に、怒りがこみ上げてくる。




「働かない者は食うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」





と、勢いにまかせて股間に一発蹴りを入れた。


瞬間、彼は表情を無くし、無言で背中をくの字に反らして、ひょろひょろと数歩よろめいた後。



「……もひょ?」



謎の一言を最後に、階段からおにぎりと一緒に落ちていった。







「きゃああああ!?ポチさん!?」








奴の生存と右手の無事を確認。


思いっきり恨み顔をしている奴の表情に、舌を出した顔で応戦した。

なんか喚くほど元気だったので、この国の歴史を調べ直すために部屋へ戻った。


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