女王様御用達。
僕もレースさんをちらりと見た。



「…一つめは、殺してしまったのは王子の過失だからだ。いままで、国が手を下す時は、すべて計算された上で悪人イメージを作り、今までは処刑してきた」


国民が納得するような濡れ衣を着せたりして。



「しかし、今は選挙の前。イメージ的に微妙な時期だ。相手はバケモノとはいえ、過失で倒したというイメージはこれからの王政的にまずい」


「そんなのは、それこそ事実をねじ曲げりゃいいだろ?剣で倒したとか」


「王からすれば過失にちがいない。美談にしたら他の兄弟が納得しないだろ」


おそらく、もみ消したことも競争相手である兄弟達は納得をしていないだろうけど。


「ひき逃げ程度にしていてうやむやにしたまま、やり過ごした方が都合が良かったんだ」



「……」

レースさんは、特に表情を変えなかった。



「そして、レースさんはひき逃げの事についてある程度検討がついている。今回の放火が父親の死亡後に始まったことならば、そいつが関係している可能性が高い」



奴は外の監視がいない時に現れたから、監視内情を知っている人物。







彼女は小さく頷いた。




「うん。今回の放火も大体検討がついてる」



そして強い口調で僕に言う。



「でも、それを話しても、クロ君達が危険になるだけで、解決もしないでしょ?」


最後は、笑顔だった。



この人は、辛いことをすぐ笑顔に変えてしまう。
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