女王様御用達。
僕はこの人間の予想が大体ついていたが、だがそれがにわかに信じられなかった。

今までの行動から見て、接触してくる可能性は無くもなかった。

しかし……だとすれば、警護役が1人2人ついていてもおかしくないはずなのだが。


「そっちのお兄さんは、数年全く日に当たっていないような真っ白な肌をしているし、髪の白髪の入り具合も何があったか分からないし」



僕の警戒をよそに、ポチをしげしげ眺める。

「最低限の筋肉もほぼ皆無…どういう生活をしてきたんだ?」

「じゃかあしい」

囚人生活や禁固生活は長かったと聞いている。

肉体労働が始まったのはここ最近のことだ。

彼は今ある僕らの状況を読み取っていた。


「そっちのおチビちゃんは、何歳も年上の彼に命令するし」

そして剣に目を向ける。

「剣は木刀でもちゃんとした構えをしているし、その玩具もただものでは無いみたいだし」


こいつ、魔力感じることが出来るのか。

だからといって、相手は魔法使いほどの装備でもない。

基本的な戦闘を囓ってその力差あたりを感じられるほどの能力だろう。


「おちびちゃん、すんごい顔でボクを睨んでいるし。なんて顔するの」

「地顔なのですみません」

「笑えばいいと思うよ。君、可愛い顔だし」


「それは無理でしょう?」



僕は目を細め、彼の頭巾を睨み付ける。



「顔も見せない相手を信じて愛想振りまくのはただの馬鹿がすることです」


「まあまあ、そんな冷たいことを言わないで」


彼は大きく腕を振る。




「どうせ、大体の想像はついているんでしょ?」



彼は少し俯き、首の後ろの結び目に手をかける。




「それに、ボクは別に隠したくて隠してた訳じゃないんだ。でも、こうしないと町のみんながびっくりしちゃってね」


彼はぱさりと布を取り外す。


豊かな金色の髪が、布の下から露わになる。
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