女王様御用達。
銅色の瞳、長いまつげが印象的だ。
眉がきりりと整えられている。
輪郭は小顔で、中性的な顔立ち。
乱れた髪を自然に直すその姿は本当にアイドルみたいなオーラがある。
体つきは細いが締まっている。
身長は175前後だろうか、ポチと同じくらいだ。
だから並べたときに、ポチの見劣りが相当だろうけど。
「正直、想像はしていました」
僕は輝かんばかりに笑う彼にも剣を持つ手はゆるめない。
本物?
にわかに信じがたい。
「護衛がいないのは驚きましたが」
「城から抜け出してるんだ。結構僕たち兄弟、自由でね。逃げ出せば」
「えっ……?」
きょろきょろしているポチ。
自分を分からない人間に、驚く彼。
「え?分からないの?」
そうだったな。
お前には人の顔は覚えられないんだったな。
「シルルク国の王子だよ。ホラ選挙中の」
あー。
と呟いてまた疑問首をかしげる。
「……どれ?」
「一国の王子に『どれ』とか聞くな!!せめて『どちら』とか言い方を考えろ!!」
失礼だぞ、貴様。
と言っても、剣を構え続けている僕も十分失礼なのだが。
楽しそうに笑う王子。
手をぱたぱた、「問題ないよ」と答える。
「うちの国じゃ、ボクをみんな見かけたらすぐに跪いちゃうから、そういうフレンドリーは逆に新鮮でうれしいな」
不躾がフレンドリーかどうかは別にして、彼は自分を指す。
「ボクは三男のウリス。ウリス・ゴールド」
彼はさわやかな笑顔で僕らに笑いかけた。