女王様御用達。
「ボクは、警備体制もその情報も、その歴史もすべて知っている。ボクら兄弟の帝王学はそれに頼り切ったお粗末なものだからね」
あやしい。
その視線で見つめるポチに、慌てて首を振る。
「ボクじゃないって。大体、ボクは、この国から『バケモノ文化』を無くしたいんだから」
それは酷く意外な一言だった。
僕とポチは顔を見合わせる。
「この国が国交を制限しているのは、『人間をバケモノに仕立て上げている事実を外国に伏せるため』なんだ。こんな事実、国の汚点でしかない。他の国からの笑いものだよ」
「じゃあ、やめればいいじゃないですか」
ポチ、正論だ。
しかし、首を振る王子。
「うちの父…国王は、レースの動きを制限することが権力だと信じてるからね。今回の選挙で少しは変わるかもしれないけれど」
うーん。
口をへの字にまげて、こう続けた。
「最有力候補であるマーキュ兄さんも、この件については保留にするつもりだ。やはり、レースという国共通の敵を作ることで国がまとまっている側面も無くもないってさ」
はあ、王子はため息をつく。
「おかしいよね」
「絶対おかしいっ!!他にやり方があるはずだっ!!」
ポチ、気持ちは分かるが少し押さえろ。