女王様御用達。
ポチに頷く王子。

「ボクもそう思う」

「二男のデスト王子はどうなんですか?」


はは、ウリム王子は嘲笑った。


「あの人には、政策なんか頭にないよ」

彼はあまりにはっきりと断言した。

「あの人が語っているのは、デスト王子派の人間が作った割と適当なもの。本人は、王座以外の興味はない」



僕の中で、リュウズ国のかつての王と被った。

デスト王子が政権を握れば、この国が、かつてのリュウズになるのかなと、なんとなく。



「最近、国王から勘当寸前に追い込まれたしね。穴埋め程度に良く見せているくらい。所詮はハリボテだよ」


最近?

国王候補を勘当寸前?


……国王をそんなにも怒らせるようなことって……一体何だ?


「……」


僕は、思い当たる部分があった。





「……それは、レースの父親のひき逃げに関係ありますか?」





彼は目を細め、溶けかけたアイスを見つめた。

公園の時計が音楽を流す。



どうやら、子供が帰る時間らしい。




「デスト兄には気をつけた方がいいよ。あの人は理解力がないくせに暴力的だから」




彼は口にアイスを流し込み、顔に赤い布をかけた。


そして、服の中から古びた赤い本と小さな白い箱をポチに手渡す。


「……レースに渡しておいて。煙の件で、監視がきつくなっててね。近づけないから」


「!?」


この人、宿屋にも行くことがあるのか?



「また会おう。お二人さん」



彼は元気よく手を振り、町の方へ小走りで消えていった。


「さわやかだなぁ」

ポチは彼に好感を持ったようだ。
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