女王様御用達。
「完璧な人間なんていないわ。人には、他人にとって都合がいいところと悪いところを必ず持ち合わせているものよ」


「あいつは度が過ぎてます」



「でも、度が過ぎるほどいいところもあるはずだわ。きっと、貴方は悪いところが気になってしょうがないのだろうけど」




彼女は僕に視線を合わせ、頭を撫でる。




「いいところを探そうと思えば、きっと見つかるの。人間ってそう言うものなの」




頭を大きく覆う、その手は温かい。




「……なんてね」




虫のような、あんな無機質な手ではなく、ほのかにピンク色をした優しい手。

誰だろう、誰かに似ている。

お母さんに、こんな風に撫でられたは無かった。


誰か女性……。



「今の偉そうに言ったのは、お母さんの絵本の受け売りなんだけどね」



その優しい表情が、女王とかぶった。

……そうだ、女王なのか。


彼女は舌を出して笑った。

やっぱり、この人は人間なんだ。





僕は、この人を守るためにがんばらなきゃいけない。
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