女王様御用達。
足に力が入らない。

彼は床で悶える。


「この木はヤドリギの一種で出来ていてね。触れた人のエネルギーを栄養にして急成長するんだ」

足から枝と根が伸び、彼の動きを封じ込める。


「う、うわぁ!?」

「こいつ元気が良くて、すぐ成長するの」


魔法使いが実験で作り出したこの木の材料は、人食いの木と言われ、処分されかけていたこの木を武器に使えると踏んだ僕は、引き取り剣に改造をした。

ヤドリギに自分を含め栄養を定期的に与える代わりに、自分の言うことを聞くように出来ている。

下手に地面に置いておくと、勝手に根を出しそこからなかなか動かなくなってしまうのが玉にキズ。

他の騎士隊の人間からは「危ないから手放せ」と言われるが、下手な武器より自由度の聞くこの武器は使いやすい。

女王騎士隊の試験も、これがあったから受かったようなもんだ。


「下手に逃げようとすると、締め上げて栄養を食い尽くすからしばらくおとなしくしてて」


彼は体をぴくりと凍らせる。


「そうすると、ミイラみたくなって、取り返しのつかないことになるから気をつけて」


僕は兵士を跨ぎ、部屋から出る。


「仕事が遅かった」



と、ほざいた見張り役らしい黒スーツとと目があった。



「な……」




僕とポチの部屋との間で2人待機か。

ポチの部屋、何人いるんだよ。

つうか、生きているといいが。


「どいて」



僕は、剣を大きく振り回す。

剣に弾かれて、2人は階段を派手な階段落ちをしていく。



「何の音だ?」


ポチの部屋から出てきた1人の首に、剣先を巻き付ける。


「!?」

僕はドア越しに剣を引っぱる。

てこの原理と、栄養を蓄えた木の力で彼の体は軽々と宙に浮いた。


「……殺したらすごく困るから、半殺しにとどめて」


剣はぶつりと彼を縛る首もとで切れ、そのまま首輪の状態で彼に巻き付く。


彼は首に手をかけ、もがきながら廊下をぐるぐる転がった。


僕はその彼も跨いで部屋に入る。


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