女王様御用達。
「ウリム様」


朝、きっちり起きて気分を直したレースさんは、赤頭巾を脱いでの王子様登場にテンション上げてきた。


「お久し」

「わあ……どうしましょ。おもてなしするお菓子あったかしら」

と、わたわた慌てふためき、何も無いところで転ける。


「大丈夫?慌てないでいいからね」

「はい!!」

レースさん、助けられるために手を握られてオーバーヒート寸前だ。

こんな顔まっかっかで、慌てるレースさんは初めてだ。


「その髪かざり可愛いね」


「ありがとうございます」


「……」


切なそうに見つめるポチが痛々しい。

お前は逆立ちしても、王子様には勝てないんだから。


まあ、馬鹿だが悪い奴じゃないんだよな。

こいつ。


まあ犯罪者だけどさ。


しかし、この王子。

完全にこの宿屋の警備体制を熟知しているらしい。


この宿屋に入るのを僕らより1、2分ずらしただけで正面から宿屋に入ってきた。

その時には完全に、監視人がいなかった。



「ゆっくりされてくださいね」

「警備が次に交代する三時間後まではいるよ」


次の交代時間まで熟知かよ。

レースさんは真っ赤になった顔を隠すように笑った。




今まで見た中で一番レースさんが輝いて見える。
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