女王様御用達。
確かにあの赤い本の内容は異様だ。

本の中で語られる歴史は、むしろレースさんがバケモノの子孫だったんじゃないか?と思わせる内容。

研究のくせに、家系図の父親の部分はいつも黒く塗りつぶされている。

そしてそれはおそらくレースさん自身がしたものだろうが、父を消すことで何がしたかったのだろう。


赤子の写真は人間とは別質の生物の体が生えていた。


……とにかく異様だった。


「王子は何か気づいたんですか?」

僕は振り返り、聞く。

「んー。まあ、なんて言うか」


彼は顔に影を落とす。


「……レースは、このまんまじゃいけないっていう危機感だね」


はぐらかしたな。


「そうですよね!!俺もそう感じました」


こいつ、写真見て倒れたっきりの人間が、いかにもな便乗を。


「あはは、仲間だね」


ポチと王子は握手を求める。

レースさんの心をわしづかみにしているのは、この王子だ。

そんに握手するわけが。


「仲間ですね」


固く手を握り返すポチ。


……権力に弱い奴め。


彼はそして聞いた。





「じゃあ、君は、この国を良くするためにどうすればいいと思う?」





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