女王様御用達。
ポチはちょっと腕を組み、顔を傾けた。

そして手を挙げ、発表する。


「ウリム王子が国王になればいいかと思います」


こいつ、すっかり懐きおって。

本当に権力に弱いな。


「お世辞でもうれしいなぁ」


「お世辞じゃないです。むしろリュウズの女王よりもずっとずっと立派だと思います」

はぁっ!?

ふざけるな。

僕はギリリとポチを睨む。

彼女こそ世界一の女王だ!!




「今回の選挙じゃ難しいだろうけどねぇ」


彼は照れて笑う。


「でも、もしも僕が国王になったら、どの国にも恥じない立派な国に必ず……」


その時、宿屋の勝手口から慌てるレースさんが飛び入ってきた。


顔は蒼白。

むしろ涙目で、肩で息をしている。


手にしていた籠から床にリンゴが落ちる。





「デスト王子が、こちらに向かって!!」




ウリム王子は眉をしかめ、ガタリと席を立った。



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