女王様御用達。
ピー。


何か甲高い機械音。

窓の外から聞こえてきた。


僕は窓を注意深くのぞき込む。


50メートルほど距離を置いたところに馬が数匹見える。


『ヘイヘイヘイヘイヘイ』

ピー。

先頭に立つのは拡声器らしき文明の利器を持った男の姿があった。

金髪のロン毛。

体には豪華絢爛な甲冑を付けていて、やたらハデ。

1人、鮮やかな赤い馬に乗って、隣の兵士に声をかけているようだ。


『……ちょっと、この機械大丈夫なの?喋る度にピーピー鳴るけど』


『はあ、ちょっと調子が悪いようですね』


…何か小声とガチャガチャ機械をいじる音も入っている。


『まあいいか』

「いいのかよ」

ポチが突っ込む。


『そこのバケモノと通りすがりな野郎!』


打って変わった強い口調でピーピー鳴らしながら怒鳴る。


『よっくも、オレ様の兵士たちをいじめてくれたな』


「……先に使者やら火事やら起こしたのはそっちだろうに」



僕も腕を組んでつっこむ。




『正義の名において、この勇者の血筋であるデスト様がみーんなまとめて処刑してくれる!!』




彼は、拡声器を持っていない方の手を挙げる。


すると、彼の回りの生い茂る畑に隠れていた兵士達、およそ20名が走ってこっちに来る。

保護色らしい緑色の体全身にぴっちりとしたスーツを纏った兵士達。

緑の全身タイツが近い。



……昼間に見ると変態の集団にしか見えない。





「見た目はああですが、俊敏性に長ける最新の着衣です」


ウリム王子は眉をしかめる。


「あの人は本気だ」


そう呟いた彼は真顔だった。



「うわあ、あんな奴らに殺されたくない……」

「お前と同意見だ」

「最悪ですねー」




口々に、近づいてくる奴らを酷評する僕たち。


……兵士の姿形が、緊張感を完璧に奪っていた。

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