女王様御用達。
『……』


穴が開くくらい眺める。

ばれたか?

ポチは固まる。


「ふむ、いい絵だ」


満面の笑みで絵を眺めているらしい。

確かに綺麗な女性の肖像画だったが。


「バケモノ討伐の記念にもらっちゃおう」


彼は額縁に手をかけて、絵をずらそうとした。


『デスト様!!』


『何?』


『絵を外したばかりに床に穴が開き、そこに落ちて行方不明になった兵士がいます』



『は?』


『トラップです!!この屋敷にはあらゆるところに仕掛けられているんです』


『……』

デストは残念そうに額縁から手放して歩き出す。






が、くるーり振り返った。





『やっぱ欲しいっ』



『王子!!』




彼は勢いよく、絵を外す。



ぽかん。



彼の動作が止まった。


『目?』


きっと、壁に2つ穴が開き、そこから白い目が2つ彼を見つめていたのだろう。



『あ、瞬きした』


そりゃあ、ポチだってずっと耐えていただろうし。

ちょっとした間抜けの間の後、僕は舌打ちした。


「走れ!!」



僕は叫んだ。


『……奴らはこの壁の中にいる!!引っ張り出せ!!』



王子の怒鳴り声を背に、僕らはまた逃げ出した。
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