秋霖のビ
雨が気持ちよかった。

今ここは、凄く居心地がよくて。

私はまた、永遠を信じてみたくなったんだ。

それはきっと。同じ場所に同じなりで居る男の存在なのかもしれない。

いつからか、考える事をやめていた。残像を追うことなく、辺りをしっかりと見ることができた。

私と同じ彼が気になって全部忘れてしまった、と言う方が正しいのかもしれない。

私の雨はいつの間にか止んでいて、その潤いで肌が艶めいていくような感覚が全身を包み込んでいた。

雨がまた弱くなりはじめた頃、思い切って腰をあげてみた。

砂に水が混じってお尻を地面にくっつける。力強く、剥がれたところはドロドロで。

早くも後悔。

馬鹿だな、私。

よし、帰ろう。帰って熱いシャワーを浴びるんだ。
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