イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~

「終わろうぜ」


『すごいね。こんなにゴミあるんだもんね』


「おぅ、きれいになったよな。でも、こうやって拾ったりしないと気付かないもんだよな」


春哉の言葉に頷きながら、私達は手を洗った。


「あっちー。あれ、七海、春哉達お揃いで…」


そこへ走り込むように瑛君がやってきて水を勢いよく飲んだ。


『私達はただ…今日美化委員でゴミ拾いの奉仕活動で…瑛君はどうして…』

「えっそうだったけ?サッカーのドリブル練習してたんだ」


「私達だけでやってたんだからね。今度は忘れないでね」


風香の声に「わりぃな、でも俺はサッカー命ですから」と手をあげて教室に入っていった。


「何、それ…ごめんね。3組の分までみんなに拾ってもらって。瑛汰クンが部活あるからって昼休みにしたのにね」


風香が静かに言った。


「風香が悪いんじゃねーよ。俺も瑛汰に声かけなかったからな、でも、きれいになってきもちよかったよな」


春哉の言葉にみんなが頷いた。
< 60 / 73 >

この作品をシェア

pagetop