イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
「いやーいい仕事しましたねー」

勇がふざけて言った。


「やべぇ勇。ふざけている場合じゃねー。英語の宿題まにあわない。また、怒られるぅ、じゃあな」


走りながら春哉は教室に戻っていった。


春哉の後ろ姿が少したくましく見えた。


でも、そんな気持ちはすぐに吹き飛んでしまう。


やっぱり…先生に怒られ、みんなが春哉を笑う。
顔もかっこいいとは言えない。背だって決して高くはないし、スタイルもいいとはいえない。どっちかっていうと足も短いし…


勇がこの前ふざけて歌っていたことを思い出す。


 ~俺達ダメンズ~


ホントにダメンズだ。


ドキドキなんてするわけない。こんなやつなんかとFKなんて考えもつかない…はず…


黒板の前で懸命に英単語の穴埋めをしている姿を見ながら、私はさっき春哉と触れた指で唇をなぞっていた。
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