眠れる森
「どう?体の内側が凍結して行く感覚は?」
「魔力がないのにどうやって!?」
「どうやって?
貴方、私が撒いた冷気吸ってるじゃない」
「それを冷凍化するのにも魔力が…!!!!」
言い掛けて、何かに気付く
「気付くのが遅いよ」
スっとクリアが右手を出し、何かを掴む
「レオ、まだ?」
流石にヤバイのか、痺れを切らしたシルクが足す
「もう少し時間がかかりますよ。気付いたのは早いのに、言うのが遅いからです。
あの方、純血ですか?術のガ―ドが硬いんですよ!」
レオの小言を挟んだ会話の一方で、クリア達は
「…こんな術、今までに……」
「あたりまえでしょ?
遠距離から傷つけずに体内臓器に触れる術は、純血の私だけの術よ」
初めての術に、男は焦りと戸惑いから慄然とする
「っ・・・・・・・クソがぁっ!!!」
「口が悪いのね。・・・・・心配ないわ、しばらく仮死状態にするだけだから」
サラっと恐ろしいことを口にするクリアに背中に伝う嫌な汗がひんやりする
クリアが出した右手を握ろうとする
「Protection」
パンッ!!!!!!!!!
乾いた音が辺りに響き、唖然としたクリアがレオを見る
「間に合ったみたいですね」
「……なんだ、あんた強いじゃない」
「どうも。それはそれとして、よそ見してると危ないですよ」
誉め言葉に、簡潔なお礼を言ってから注意を足す頃にはすでに遅い。
背後で急激に魔力が高まるのを感じて、瞬時に同じ魔力の密度まで魔力を高めるが、気付くまでの数秒の差が追い付けず
「解!!!」
魔道士と剣士にかけていた術が解かれてしまった