眠れる森
「えっ、うそ。両方解いちゃったの?」
高めた魔力を正常値に戻しながら男たちを見る
「はぁ──…臓器が痛い。ガウル、戦法は考え付いたのか?」
先程まで戦っていた魔道志の男が、1人の剣士に声を掛ける
「損な役回りご苦労さん。もちろん考え付いたよ」
その様子を黙止で見ていたクリアが何かに気付いた後、凛とした表現で訊ねる
「貴方、名前は?」
「・・・・・シヴァ・エレオウルド。」
「そう、シヴァさんね。
で、そっちの剣士さんがガウルさんね」
「そうだ」
「……私の負けよ。貴方達の戦略に気が付かなかったわ!」
クリアの意外な言葉に驚く
「まさか能力の未知数な私に、臨機応変に対応できる魔道士のシヴァさんだけを上手く差し向けて、残りは戦闘分析で今後を考えるなんて。
良いチ―ムワ―クしてるじゃない、どちらがお兄さんなの?」
「「はっ…?」」
唐突に論点が変わったことと、その変わった内容にシヴァもガウルも唖然とする
「くくっ……」
小さいながらもシルクが立派に笑いを洩らした
「シルク、いつから気付いてたんですか?」
「ん?最初っからだよ」
「最初っから……あの、剣士の匠蕀隊(しょうきょくたい)を覊匠隊がスルーした時のことですか?」
「うん、そぉ。」
横目でレオ捕らえてから、またクリア達へと目を戻しす
「覊匠隊と匠蕀隊はもともと“覊匠蕀隊”(きしょうきょくたい)と言われてる隊だから。
…そうでなくても、あんな風に仲間を見放す事は、この軍にはないからね」
「そうでしたか…」
レオもクリア達へと目線を戻す