眠れる森
「・・・・・なぜ、ガウルが片割れだと気付いた?」
まだ違和感が残ってるのか、心臓辺りを擦りながら訊いてくるシヴァに、少し申し訳なく言った
「一瞬だったけど、戦闘中かすかに双方から同じ魔力と雰囲気を感じたから」
───!!
ガウルとシヴァが顔を見合わせる
「無意識だと思うから、気付かないのも仕方ないよ。
ただ、お互いが他とは違う信頼感を持ってるのは分かるから、気を付けないとね!
少しでも敵に感付かれて策を見破られたら、その策は失敗。
策の失敗は致命傷。
結果私の仕事が増える!」
可愛らしく言った、仲間を想っての言葉。
それが伝わったのは、クリアの雰囲気から
「なぁ、お前家は?
純血と属性だけでは、見当も付かない…」
突然生家を訊いてくるガウルに、クリアは胸が大きく打たれた
動揺を表に出すまいと、目を離さないようにするので精一杯
ジっと真っ正面から見つめ、深くため息をつく様に息を吐く
「私の名前はクリア。
それ以上でも以下でもない」
その答えは、シヴァの顔にシワを生んだ
この世に生家を語らない人は少ない。
どんなに貧しかろうが、どんなに裕福だろうが家に誇りを持ち、語りたがる。
だから家を語らないクリアに、何かあったのか?
と、詳細を訊こうと口を開いた横からシルクが口を挟んだ
「1つの干渉を許せば、その行為は広がる。
…俺を含め、ここの兵にはそれぞれ事情がある者もいるんだ。
だから、悪いけど深い干渉はなしね」
ガラッと雰囲気が変わり、肌から伝う威圧感
威圧感と言っても、嫌にならない
だが、反論なども出さない。