復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
ガラリとドアが開く。
よれよれの制服を着たさえが立っていた。

「さえじゃん」と千尋がおどろいている。

奈々子は美術室に入ってくるさえを見て、何回もまばたきをした。
気のせいだろうか。なんだか、さえの腹がかなり膨らんでいるように見える。

まるでスイカを丸のみしたように、ぼっこりとしており、さらに口の周りには、べったりとなにかの汚れがついていた。

虚ろな目をしているさえに山形がツカツカと近づく。

「あなた、遅刻した理由を言いなさい!」

山形が怒鳴るように言い放ったので、美術室は静かになった。

すると、さえがぽつりとつぶやいた。

「……おなかへった」

山形は一瞬、あ然とした顔をしたが、すぐ眉間にしわを寄せた。

「なにをふざけたこと言ってるのっ。わたしは、遅刻した理由をきいているのよ!」
< 107 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop