復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
「あそこに――」

重苦しい沈黙を破ったのは、愛華だった。

「あそこに隠そう!」

震える指先は、あの古ぼけたトイレのほうを指さしていた。

「で、でも……」といっせいに困惑した声があがる。

すると、愛華が、ぐしゃぐしゃと長い髪を片手でかきむしった。

「このことがばれたら、退学どころじゃすまないんだよ! 警察に捕まるに決まってる――それでもいいの!?」

「嫌に決まってるじゃない」と亜美が唾を飛ばす。

「つ、捕まるなんて絶対イヤ!」理奈が金切り声をあげる。

「他のみんなは!?」

千尋とさえが、青ざめた顔で首を横にふる。

もし、自分が捕まったら……と奈々子は考える。
愛華の言う通り、警察に捕まり、退学になるだろう。近所中に知れ渡り、両親は引越しを余儀なくされるはずだ。
さらに前科の経歴が、一生ついてまわる。

様々な、考えが浮かんでは消え、奈々子はこめかみをおさえた。
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