復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
――絶対捕まりたくない。

「わたしもイヤ……」

奈々子は震える唇でつぶやいた。

「じゃあ、みんな手伝ってよ! 
 亜美と理奈、谷ちゃん一緒に運んで。さえと千尋は、人が来ないか向こうで見張っていて。あと、あたしたちの通学カバンを持っておいて!」

「う、うん」とうなずき、千尋とさえは、通学カバンを両手に抱えると、走って行った。

「どうやって運ぶつもりなの? 血がついたら、やばいよ」と理奈が騒ぐ。

「……手と足を持って!」

愛華は、そばに落ちていたマリの通学カバンを肩にかけると、ぐったりとした右足をつかんだ。

亜美が左足を、理奈が右手を持つ。

奈々子は、ごくりとつばをのみ、一番最後に残った左手を握った。
脈に親指をあててみたが、なんの反応もなく、もしかして気絶しているだけなのでは、という望みはあっけなく砕け散った。

「せーの」という愛華の掛け声に合わせ、ひっぱりあげると、
マリの体がだらりと浮かびあがった。

「行くよ……」

一歩ずつ、ゆっくりと足を進める。

なんて重たいんだろう、と奈々子は顔をしかめた。
まだ温かいマリの手を、必死ににぎりしめ、奈々子は横向きに歩く。
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