みどりちゃんの初恋
じゃあお茶いれるねー、と軽やかに席を立ったのは、もちろんタツキさん。
決定事項をパソコンに入力し出したヒロっちを見れば、相変わらずの無表情。ホント、何考えてるか分かんない。
温かいお茶の入ったマグカップをタツキさんから受け取り、お礼を言ってから、一口含んだ。
「そういえばさあ。 みどりちゃんの好きな人って誰なの?」
!!!!
「……ごほっ! 変な、と、こ、入った!」
ばかねぇ、と言いながらあたしの背中を優しくさするちぃは「雄太郎、知らないの?」と不思議そうに聞いた。
「みどりちゃん、かなり告られてるのに、『好きな人がいるから』って断ってることしか、知らなーい」
「なっ……!?」
「何で知ってるか? って?それはね、みどりちゃん。 サッカー部の小池君、陸上部の田島君、バスケ部の江崎君……等々、みどりちゃんに振られた男に泣き付かれたから」
やっと落ち着いたあたしは、ゆっくりとお茶を飲んだ。
だって……そう言わなきゃ諦めてくれないし、キスされるんだもんっ!
た、確かに、好きな人はいるけど……それは、何ていうか……叶いっこないんだよね……。