「うわぁ…高いな……」


「だって観覧車だもん。」


「ねぇねぇ涼君、曲なんかかかるんでしょ?」


「うん、かけられるけど……」




特別仕様になっているここの観覧車では曲がかけられる。



「えっと………」


ランダムに曲をかけ、窓の外を眺める。



「あ、涼君、この曲知ってる!!」


「有名だよね。」


「私ね、この曲好きなの。」


「俺も好きだよ。女性歌手はあんまり聴かないけど。」



他愛ない話をしてるうちに、観覧車はどんどん上がっていく。



ビルの屋上があんなに小さく見える…。



「あ、もうちょっとでてっぺんだよ!」


「今日は元気いいんだね。」


「いつも元気だよー!!」



キラキラした目で窓の外を見ている藍希――――


まるで珍しいおもちゃを手にした子供みたいで……




「涼君涼君!!見て!あれ学校じゃない?」


「学校こんなに近くないよ。あれは櫻蘭女子中じゃない?」


「あ、そっか…」



すべてが可愛い…


声も仕種も、全部………
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