夢
「ん………はっ…」
「…、ふっ……」
てっぺんにいる時間をまたいでキスした。
ありがちだけど、狭い密室に2人きりなんてそうないから。
「っ……、りょぅ…君…」
小さく俺の名前を呼んだ藍希の顔がみるみる赤くなっていく。
暗がりの中でも分かった。
「も、もぅっ!!な、なな何やってるにょっ…」
焦りすぎてかんだ藍希が可愛くて、俺は声を上げて笑った。
「わ、笑わないでよっ!」
「はははっ、ごめんごめん、だって…ははははっ!」
「ちょっとぉ!!」
俺の胸板をばしばし叩いてくる藍希を抱きしめて、赤く染まった耳元にこう囁いた。
10代の俺たちにはちょっと歯がゆい言葉だけど、大きさなら誰にも負けない。
「愛してる」