秘密
『じゃあ、毎日お昼休みにここでお話しましょうよ!』


昨日彼女とはそう約束して別れた。



「(早く昼休み…なんないかな……)」


授業も頭に入らない。


きっと、右耳から左耳に通り抜けるって、こういうことを言うんだと思う。


自分が人と話すことをこんなに楽しみにしているなんて、信じられなかった。



「君…、藤井君……、藤井君!!」


「っ、あ、はい…。」



この俺が授業で怒られるなんて…。


本当にどうしたんだろう……。



「藤井君、授業聞いてる??忙しいのは分かるけど、授業は聞かないとだめよ。」


「…はい。」



こんな日が、何日も続いた…。



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