「っ…?!!!」



ドサッと音がして、藍希の体がコンクリートに打ち付けられた。


「姫野……?姫野っ!!」


駆け寄った。


脈が止まりかけていた。


焦った。



「おい、姫野!!姫野!!!」



躊躇っている暇なんてなかった。


カッターシャツの上から左胸に手を当てた。



下着の感触がした。


心臓は………



「んっ…、大丈夫、いつものこと…」


「姫野っ…」


体中の力が抜けた。


脈が止まりかけたもんだから、びっくりした。


このまま死んでしまうのかと思った。



「良かった…。」


「ごめんね、ちょっと無理しすぎたみたい…。」


「どうして……」


「私ね、心臓の病気なの。」



呼吸が一瞬止まった。



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