恋口の切りかた
「円士郎殿がそう言うのならば、私は……」


俺はぎょっとして、鳥英の顔を覗き込んだ。


彼女は困ったような──苦しそうな目で、微笑みを浮かべたまま、俺を見つめた。


「私は、円士郎殿の元にならば、嫁いでもいい」





時間が凍りついた。
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