恋口の切りかた
小太刀を使っているけれど──まるで居合いのような動きだ。

隼人が手元を動かすたび、ヒュッと風を切る音が届く。


奇妙な剣だった。


ゆらっと太刀筋が揺らめくように霞んで、

雨粒が散っているのかキラキラと刀身の軌跡が細い蜘蛛の糸のように見えて、


円士郎や虹庵の剣を見慣れている私が、目でちゃんと動きを追えない。


不気味に揺らぐ、

陽炎を見ているかのような太刀筋を

何度も何度も、鋭利に細められた目つきで繰り出す様は、
まさに鬼気迫るようで、


ふと、


隼人がこちらを向いた。



「おつるぎ様──?」



隼人の顔から鋭さが消えて、代わりにぎょっとしたような色が覗いた。


川の中に立っている私を
隼人はしばらくぼう然と眺めて、

それから抜きかけていた小太刀を納刀し、何故か慌てた様子でばしゃばしゃと濁った浅瀬に足を踏み入れて私に歩み寄ってきた。


「何やってんですか!」
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