恋口の切りかた
隼人とは、既に何度か手合わせしている。

探り合いの剣はいっさい使わず、私は真っ直ぐ首の紐を狙った。

刀の長さも、
切っ先の位置も、
寸分違わず把握している。

私にも、隼人の首の紐だけを切る自信があった。

だから何のためらいもなかった。


下段から斬り上げ、相手が身を反らして避けることを計算した上で、大きく覗く喉元を狙う。


切ったと思った──


──が、


幻を斬ったかのように、私の繰り出した刀からは何の手応えも返って来ない。


かわされた。


思った瞬間、返す刀で斬り下ろすように首の紐を切ろうとする。

また当たらない。

今度は、完全に太刀筋を読まれているとわかる。


考えを改めて、今度は首元の紐だけを直接狙うのではなく、峰打ちで隼人自身に斬りつけた。


けれど、
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