恋口の切りかた
「さァてと、あっと言う間に残り二人だな」

倒れ伏した者の間に立った子分二人を俺がジロリと睨むと、目の前の光景で戦意を喪失したか、男たちは「ひィッ」と情けない声を出した。

「所詮は渡世人か……」と隼人が呟いて──



「何の騒ぎだね、これは!」



耳障りで冷たい金属のような声がした。



「お、親分!」

と、子分二人が叫んで、



「おやおや、どなたかと思ったら結城のお坊ちゃまじゃァねえですかい」



新たに現れた四、五人の取り巻きと一緒に、店の奥から姿を現したのは白輝血の兵五郎だった。



「よォ、邪魔してるぜ、親分」

俺は額に青筋が浮かぶのを感じながら、蛇のようなその男の顔を睨み据えた。
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