恋口の切りかた
「留玖は……」

震える声で呟いた俺の顔色を見て、伝九郎は再びニヤニヤ笑いに顔を歪めた。


「それは、今頃向こうもお楽しみの真っ最中であろうな。だから儂も混ざりに行こうと思ってな。

やはり泣き叫ぶばかりの町娘ではつまらぬわ。
武家の女のように、高い矜持を持っている娘を嬲(なぶ)って、屈辱に歪む顔を見るのが面白い」



その瞬間、




辛うじて保てていた理性が、俺の中でぷつりと音を立てて切れ飛んだ。




「てめえら──」


刀を抜きかかる俺の腕を、





隼人の手が、物凄い力でつかんで止めた。
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