恋口の切りかた
「やっぱり変わってるよ、オマエ」

ふふっと笑う気配がして、

「今度は殺ったのか?」

と私が斬った男を示して霧夜は訊いた。

私は頷く。
この人数相手に手加減はしていられない。


会話しているそばから、別の男たちが飛びかかってくる。

私は手の中の刀の柄をぎゅっと握りしめて──


そばに走り込んできた円士郎が、両手に構えた刀で子分たちを斬り伏せた。

「エン……?」

私は並んで立つ円士郎を見上げた。

円士郎は気まずそうに、拗ねたような目でそっぽを向きながら、

「お前を守るのは当たり前だろうが」

と言った。

私は胸に温かいものが広がるのを感じて、

「うん、ありがとう」と微笑んだ。


円士郎は「おう」とぶっきらぼうに言って、
それから「てめえ、鵺を裏切ったんじゃなかったのかよ」と呟きながら、匕首を構える霧夜に視線を向けた。

「霧夜、てめえには色々と訊きたいことがあるからな。
こいつらの相手が終わったら覚悟しとけよ」

「エン、違うの。霧夜は私のことを……」


私はまた説明しかけたのだけれど、

ひははは! と霧夜が唐突に笑って、遮られてしまった。


「霧夜……ねェ」

彼は傷を歪めて可笑しそうに笑いながら、円士郎の顔を見つめ返して、


「あんたも意外と鈍いねェ、円士郎様」


よくわからないことを言った。
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