恋口の切りかた
ハァ? と円士郎も眉間に皺を作って──



兵五郎の子分が斬りつけてくる。

「おう、てめえら! 白輝血が留玖を拐かしたことは確かになったんだ!
もう手加減なんざしてやらねえから、本気で死にたい奴だけかかって来い」

円士郎がそれに向かって怒鳴り、私たちはそれぞれ、周囲の相手に向き直った。


匕首を突き出してくる相手の腕を私が斬り飛ばし、

刀を振り上げた者の腹を円士郎が斬り裂き、

獲物を振り回す男の喉を霧夜が匕首で貫いて、


しかし斬っても斬っても、
どこに隠れていたのか兵五郎の子分は後から後から湧いて出て、ちっとも人数が減っている気がしなかった。


慣れない女物の着物で立ち回り続けて、いい加減息が切れてきた頃──


表のほうが騒がしくなった。

どかどかと、大勢の人数が踏み込んで来るような気配があって──


「親分! て……てェへんだァ!!」

高みの見物を決め込んでいた兵五郎に、
慌てふためいた様子で廊下から駆け込んできた兵五郎の子分が叫んだ。

「殴り込みだ! 虎鶫の連中が殴り込みをかけてきやがった!!」

「なにッ!?」

兵五郎が目を剥いた。


銀治郎一家が──?

私も驚く。

どうしてこんな時に……
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