恋口の切りかた
そうしたら、


髪の間から覗く、残った左目を霧夜が鋭く細めた。


「ふう、どうも右側は死角でね」

「え……?」

「心配するな」


霧夜はしっかりした声で言って、私の手を振り解いて、
自分の目玉に突き刺さっている刀の柄を握った。


「動かしたら、ダメ……」


背筋が凍るのを感じながら止めようとしたら、霧夜の口元が吊り上がって笑った。


「大丈夫だ、ここには元から目玉なんか入っちゃァいない」


その意味を私の頭が理解するよりも早く、


彼の手が刀を引き抜いて──

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