恋口の切りかた
与一はその場で栓を開け、喉を鳴らして豪快に中の酒を飲み干した。


ふう、と息をついて、それから彼は戻ってきて床の間に立ち、


「静まりやがれ!」


そう一喝した。


しん、と場が静寂を取り戻す。


誰もが戸惑い顔で見つめる中、視線の中心で与一が着物の袖から腕を抜き、襟から肩をむき出しにして、引き締まった上半身を露わにした。


舞台の上の演技を見ているかのようなよどみのないその動作をすぐそばで見つめて、

私は信じがたいものを見た。
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