恋口の切りかた
「エン!?」
「てめえの説明じゃ、蚕糸って野郎はその試しとやらのために、留玖の身を危険にさらしたってことだろうが!」
円士郎の口から、私を心配してくれる言葉が飛び出して、ほわほわと温かいものが胸に広がるのを感じた。
私のことで怒ってくれる円士郎を見たら、
体の真ん中がきゅうっとして、
心臓が大きな音を立てて……
「白輝血にオトシマエつけさせたなら、テメエらのこのケジメはどうつけるつもりだ?」
本気で与一を睨みつける円士郎に、焦った。
「待って、エン! この人は……」
「お前を助けてくれた恩人だって話は聞いた。だが、お前を危険にさらしたのもこいつらだ」
円士郎は私のほうを見ようとせず、与一を睨んだままぴしゃりと言った。
こういう時の円士郎は、私が何を言っても取り合ってはくれない。
円士郎の気持ちは嬉しかったけれど、でも……
「手下の行動を把握できなかったとしてもそれは頭の責任だ。そんな言い訳、通用するとは思ってねえよな?」
円士郎は完全に据わった目を与一に向けてそう言って、
確かにな、と与一は落ち着き払った顔で泰然とうなずいた。
「いいだろう、蚕糸のやったことは俺の責任だ。どんなオトシマエでもつけさせてもらおう」
突きつけられた刃の先で堂々とそう言い放つ隻眼の侠客を、円士郎は激しい怒りを浮かべた表情でじっと眺めていた。
が、やがて口角をつり上げて、ニッと笑った。
「その言葉、忘れんなよ」
すっと刀を下ろしながら円士郎が言った。
とりあえず、この場で円士郎が与一に危害を加える気はないとわかって、私はホッとして──
なんで私、今こんなに安心したのかな……?
恩人ということはもちろんあるけれど、与一のことでずいぶんと必死になっていた自分に気づいて、少しだけ落ち着かない気分になった。
「てめえの説明じゃ、蚕糸って野郎はその試しとやらのために、留玖の身を危険にさらしたってことだろうが!」
円士郎の口から、私を心配してくれる言葉が飛び出して、ほわほわと温かいものが胸に広がるのを感じた。
私のことで怒ってくれる円士郎を見たら、
体の真ん中がきゅうっとして、
心臓が大きな音を立てて……
「白輝血にオトシマエつけさせたなら、テメエらのこのケジメはどうつけるつもりだ?」
本気で与一を睨みつける円士郎に、焦った。
「待って、エン! この人は……」
「お前を助けてくれた恩人だって話は聞いた。だが、お前を危険にさらしたのもこいつらだ」
円士郎は私のほうを見ようとせず、与一を睨んだままぴしゃりと言った。
こういう時の円士郎は、私が何を言っても取り合ってはくれない。
円士郎の気持ちは嬉しかったけれど、でも……
「手下の行動を把握できなかったとしてもそれは頭の責任だ。そんな言い訳、通用するとは思ってねえよな?」
円士郎は完全に据わった目を与一に向けてそう言って、
確かにな、と与一は落ち着き払った顔で泰然とうなずいた。
「いいだろう、蚕糸のやったことは俺の責任だ。どんなオトシマエでもつけさせてもらおう」
突きつけられた刃の先で堂々とそう言い放つ隻眼の侠客を、円士郎は激しい怒りを浮かべた表情でじっと眺めていた。
が、やがて口角をつり上げて、ニッと笑った。
「その言葉、忘れんなよ」
すっと刀を下ろしながら円士郎が言った。
とりあえず、この場で円士郎が与一に危害を加える気はないとわかって、私はホッとして──
なんで私、今こんなに安心したのかな……?
恩人ということはもちろんあるけれど、与一のことでずいぶんと必死になっていた自分に気づいて、少しだけ落ち着かない気分になった。